今回は私の不妊治療の体験について、お話してみたいと思います。
目次
不妊治療を意識するきっかけ
突然ですが、子どもの頃は「家族」という単位が日常だったので、私は自分も将来「家族」を自然と
築いていくものなんだろうな~と思っていました。
…が、大学生になって一人暮らしするようになってから、どうやら世の中の「家族」という
コミュニティは自然と出来る訳では無いようだ…。と理解し始めました。(ちょっと遅いかもしれませんが)
家族は1人で出来る訳ではなく、相手が居る話なので当然といえば当然なのですが、
じわじわ気付いた時にはそれはそれは恐怖でした…。
あと、大学で「発生工学」を専攻したのも「家族」について意識するのに、影響があったと思います。
「発生工学」の研究の最終ゴールは「不妊への有益な治療法」になるので意識が向くのはもちろん、
当時は「カップルが10組居たら1組は不妊」と言われる時代で、更に私が大学を卒業する時には
「カップルの5組に1組は不妊」とグレードアップしていましたから、これも本当に恐怖でした…。
その為、「子どもが欲しい場合にはリミットがある」という事は比較的早く分かっていたので
既に私は大学の頃から焦っていました。結婚する相手も居なかったのに(笑)です。
今でも20代で結婚して子どもを産んでいる同級生が凄く羨ましかったのを覚えています。
多分、その方はその方で色々と大変なこともあったと思って、今なら思えるんですけどね。
その後、色々あって「もう仕事一筋に生きるしかない!」とか思っていましたが、縁あって結婚し、
妊活を試みることとなりました。
まずは妊活を始めました
結婚して新婚旅行を終えてから、妊活から始めました。
とりあえず基礎体温を付けてアプリでタイミングを確認しながら妊活していましたが、
最初の数か月は共働きで疲れていた事や、夫がそこまで妊活に熱心では無かったこともあって
「今日は疲れているから明日にしようか~」のような緩い妊活でした。
今思えば、「そんな悠長にしてる暇ないから!」とか思うんですけど、その時はその時で
毎日の生活にいっぱいいっぱいだったのかなとは思います。
大体3,4ヶ月位経ってから、どういった心境の変化かは分かりませんでしたが、夫がとても妊活に
積極的になりました。夫曰く、「何かあったわけじゃないけど、年齢を考えて子どもが成人
する時に自分が定年付近になる事を考えると、子どもは早いに越したことはないと思った」
とのことでした。「男性は年齢が高くても子ども出来るから」とか良く聞きますが、
(自分の母も言っていてビビりました…。男性不妊も珍しくないのに。)
夫のこの言葉を聞いて、子どもについては女性がリミットを気にして焦るイメージが強いですが、
子どもが独り立ちするまでを考えて、男性もライフプランを考えた方が将来の為にも
良いんじゃないかな。と個人的には思っています。
不妊治療の病院の門を叩くまで
最初の妊活では、基礎体温に一喜一憂する日々でした。
私の場合は基礎体温が下がれば必ず生理が来たので、生理が来る前から
「あぁ、今回もダメだったか…。」と落ち込みました。
たまに生理予定日が来てもしばらく体温が高いままだったりすると、期待するんですが
きちんと基礎体温が下がって生理が来て、見事に期待を裏切られ、毎月毎月凄く落ち込んだ事を覚えています。
不妊治療について、大学の頃から知識はあったので治療する事に自分の中でハードルは
高くなかったとは思いますが、「やっぱり病院に通った方が良いかな…」と思ったのは
妊活して7ヶ月目でした。ただ「夫婦生活1年経過しても妊娠しなければ不妊とされる」
という事だったので、その時は1年は様子を見た方が良いのかなと思っていました。
背中を押されたのは、自分の身近に「不妊治療の末に子どもを授かったよ」という先輩ママが
近くに数人居たからです。「夫婦生活を1年試した方が良いんでしょうか…」と話をしてみると
「年齢も30代半ばなんだし、早めに不妊治療の病院に行った方が良いよ!」と言われ、
不妊治療専門の病院に予約の電話をしたのは、自分達が妊活を初めて7ヶ月目の事でした。
→続きます。
不妊治療で大事だと思うこと
本当に1番大事なのは、「夫婦が同じ方向を向いているか、夫婦で不妊治療の為に協力できる体制に
なっているか」が本当に重要だと思います。
継続的に通うなら、精神的余裕や金銭的余裕も必要なのかもしれませんが、重要なのはやっぱり
夫婦の気持ちが同じかどうかで、妊活・不妊治療をする前にきちんと話し合いをしておく事が
重要ですし、私は今でもその話し合いを最初にしておいて良かったと思います。
私たちも何度も不妊治療や今後の人生プランについて話し合いをして、「不妊治療を頑張った末、
無理なら2人で仲良く過ごすっていう形も良いと思うけど、まずは子どもを授かれるように
2人で頑張ろう」と決めて、治療にあたりました。
不妊治療の最終ゴールは無事に妊娠・出産することなので、治療中基本的に辛い事しかありませんでした。
妊活の中で辛い事があった時には夫婦で泣きながら話をして、布団で眠りについたこともあります。
それでも夫が一貫して治療の為に協力してくれた姿勢があったからこそ、私は頑張れましたし
夫を凄く信頼しています。
治療はどちらに問題があっても、女性側の負担がやっぱり大きくなります。そういった時に、
女性だけで頑張るにはかなり精神的に辛いです。そんな時に、一番頼りになるのは夫が
同じ方向を向いて自分と同じように悩んだり、苦しんだり、泣いたりしてくれることで
私は本当に救われました。
あと、妊娠もそうですが不妊治療も思い通りにはなりません。思い通りにいくことなんて
皆無です(泣)。
振り返ると不妊治療中は精神的に自分も追い詰められていたと思います。
例えば仕事や妊娠で辛い事があっても、前向きな辛さ(このプロジェクトを成功させる、
無事に赤ちゃんを産む)なのですが、不妊治療は後ろ向きの辛さ(どうしたら妊娠できるか
原因不明な場合が多くて正解が分からない)で出口が見えないので、今思えば治療だけに盲目的にならずに
色々な事に挑戦したり、もっと別のことを楽しんだりすれば良かったのにと思いますが、
振り返ると当時はそんな精神的余裕は持て無かったなと思います。
今、まさに治療をしている方も少しでも良い方向に治療が進んでいる事を祈りたいです。
不妊治療中は、同じように悩んでいる人の体験談を読んだりして「悩んでいるのは自分だけでは
無いから頑張ろう」と思っていたので、自分の体験談がもし誰かの助けに少しでもなれば嬉しいです。
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